賃貸物件の空室対策に、トイレやキッチン、お風呂などの設備器具を新しくしたり、人気の間取りに変更する内装工事を行ったり、今流行りの宅配ボックスを設置するなどが挙げられます。一昔前は、このような方法が空室の対策に力を発揮していましたが、現代社会は大空室時代になってしまったのでこのような対策はもはや当たり前になてしまいました。この程度では、他の賃貸物件との差別化はできないのです。少し視点を変えて、ペット可物件にすることで、簡単に空室を改善できるかもしれません。ペット可物件がは賃貸物件の中でも少ないのですが、さらにペット可物件でも、猫は不可な物件がほとんどです。壁で爪を研いでしまい、壁がボロボロになるため、猫可物件を嫌がるオーナーさんがほとんどだからです。だからこそ、供給が追いついていない猫可物件にする事で空室を改善できるのです。今の間取りなど変えずに、ペット用の内装材を使ったリフォームだけでペット可ら床や壁を守ることができますので、費用面でも初期投資は大きくかからない工事です。
現代社会の住宅事情は、大空室時代となってしまいました。
これは、賃貸物件所有のオーナー様には、大打撃です。
そこで、入居率を上げる空室対策リフォームを検討してみてはいかがでしょうか?
目次
(1)古めかしいキッチン、トイレ、浴室を交換する
外見がきれいな物件でも、水周り設備が古いと当然入居率が下がります。
特にお風呂やトイレが汚れていると、その時点で候補から外れてしまうでしょう。
逆に外見は古くても、室内がリノベーションされている物件は入居者からしても価値のある物件です。
参考価格
・トイレ、ウォシュレット交換・・・13万円~
・キッチン交換・・・15万円~
・ユニットバス交換・・・60万円~
(2)古い間取りから需要の高い間取りに変更する
例えば、古い間取りとは、アパートなどでよくある2DKでしょうか。
今は、リビングが広い間取りが好まれます。
同じ床面積で考えますと、2DKより1LDKが断然人気です。
この場合のリフォームは、2DKの1部屋を解体してDK(ダイニングキッチン)と合体させて、間取りを1LDKにします。
場合によっては、2DKを全て解体して一から1LDKを作った方がいい場合もあります。
今の間取りの状態によって、どこまで解体した方が良いか変わります。
参考価格
・2DKから1LDKへ変更工事・・・130万円~
(3)宅配ボックスを設置する
分譲住宅では標準設置になっているところも多く人気な宅配ボックスを設置。
リースで貸し出ししているところも多く、高額な初期投資をせず、購入しないでも設置が可能です。ただし契約期間に縛りがあったり、そもそも集合住宅型の大きな宅配ボックスを設置できるスペースが必要となります。
スペースが確保でき、宅配ボックスが設置できればほか物件との差別化を図れます。
参考価格(リース)
・初期設置費用・・・10万円
・月額費用・・・9千円~
・最低契約期間・・・8年
(4)ペット可物件にする(猫もOKにする)
猫可の賃貸物件が、空室物件の比率に対して、ものすごく少ないのはご存知でしょうか?
犬はOKでも猫はダメというペット可物件が多いです。
例えば、不動産屋さんのサイトで、物件検索をする場合、ある程度希望の条件を設定して、絞り込み検索をすると思います。
例えば、絞り込み検索の結果600件の物件が表示されて、さらにその検索結果から『ペット可』を条件に追加すると、なんと対象物件は40件程度まで下がります。
持ち家の人の場合は、ペットを飼うことに関して大きな問題ありませんが、ペットを飼っている賃貸の住民の一番の悩みどころは、引っ越しの際に次になかなか入居できる物件が見つからないのです。
日本のペットブームに対してペット可物件の供給が全く追いついていないため、ペットを買っている人の借りられる物件の数が圧倒的に少ないのが現状です。
また、ペットを飼っていて、お部屋を探している借り主さんというのは、”物件を選べない”、”物件に対して賃料が割高”、”住みたい地域を自由に選べない”、など、こんな悩みを抱えています。
このような状況ですから、ご所有されている賃貸物件に空きが多い場合は、ペット可にするだけで埋まる確率が格段に上がります。
そして、ペット可物件になると、その時点で他の賃貸物件との安売り価格競争に巻き込まれなくなります。
物件が決まらないから安くする、それでも借り主が決まらないから少しだけ賃料を下げてみる、こういう悪循環から抜けることができます。
ペット可物件にするための内装工事
床をフローリングからペット用クッションフロアーに変更する
ペット用のクッションフロアは、普通のクッションフロアと格段に性能が違います。
我が家でも4年以上使用していますが、おしっこが染み込まず、匂いが付着しません。
匂いや傷がつきにくい特殊加工の表面層です。
そして、なんと言っても、掃除が楽なのがペット用クッションフロアの最大の利点だと感じています。
ちなみに、木のフローリングは水分を吸い込んで水分の跡が残ります。
つまりフローリングからペット用クッションフロアに変更することでペットやおしっこのニオイが染みこみずらくなるお部屋にすることが可能になります。
壁をペット用クロス、腰壁シートに変更する
ペット用クロスは、猫の爪とぎに対して通常の壁紙よりも丈夫なため傷つきずらいです。
また、腰壁シートは、表面がツルツルですので猫が爪を研ぐことはまず無理です。
猫は、爪が引っかからないとその対象物に興味を示さなくなります。
通常のクロスから、ペット用クロスや腰壁シートに変えて、猫に壁への興味を無くさせる意味で壁を守ります。
今まで猫の爪とぎに悩んでいるお客様に、腰壁シートを施行させていただいておりますが、見た目も高級感が出て猫の爪とぎで、壁をボロボロにされていた悩みもなくなり快適に過ごしていただいておりますので、自信を持ってお勧めできる内装材です。
参考価格(2LDK 床面積35平米程度)
腰壁シート・・・15万円程度
ペット用クロス(腰壁シートより上の部分)・・・8万円程度
ペット用クッションフロア・・・13万円程度
猫可物件は、かなり少ないので大きな差別化ができる
(1)~(2)の空室対策は、正直当たり前にやっている対策になってしまって、設備を新調したり、人気の間取りに工事したりしても実際には大した差別化が図れなくなってきています。
(3)の宅配ボックスの設置などはとても良いですが、スペースを必ずしも確保できる物件ばかりでもないかと思いますし、近いうちに宅配ボックスが当たり前になってきたら、この対策も差別化が測れなくなります。
その点、(4)のペット(猫)可物件にするは、これを嫌がるオーナー様も多いことから大きな差別化を図ることができます。
しっかり対策をすれば、お部屋を守ることはできますし、猫可物件は、ほとんどないので入居率も当然上がりますが、次に住む猫可物件が見つかりずらいことから、転勤などのやむおえない理由以外は、長く住んでくれると思います。
猫可物件に変更するために、他の入居者にしっかりと伝えればトラブルは回避できる
賃貸オーナー様が気にされるのは、現在入居されている方にペットが嫌いな方がいらっしゃると問題になるということでしょう。
ペットが嫌いな人のその理由の第1位は『鳴き声がうるさいから』です。
ペットで言いますと犬は吠える動物で、しかも声も大きく響きますから、いきなり犬OKのペット可物件にしてしまうとトラブルの原因になるかもしれません。
ただ、猫はどうでしょうか?
猫は、泣いても声はさほど大きくはありませんし、基本的に散歩もしないため家から出るのはごく稀です。
基本的に、飼いやすくておとなしい猫ですから簡単に猫可物件の実現は可能です。
ただ、猫も”盛りの時期”は鳴き声がうるさいです。
盛りの時期は、いつもと声質も大きさも違いますからその鳴き声を不快に感じる人は多いでしょう。
そこで、猫可物件にして入居してもらう際に守ってもらう『規約』を作るのです。
例えば
- 去勢済みであること ⇒発情期がないためうるさくない
- ペットを廊下で歩かせない ⇒共用部を汚さない
- 猫は○匹まで ⇒部屋の損傷を抑えるため
などです。
猫は、おとなしい動物なのでこのくらいの規約で十分です。(現入居者さんには回覧板でもいいのでしっかり伝えてください。)