2020年4月の「改正健康増進法」の施行を前に、簡易喫煙所(喫煙ブース)を店舗内に設置することをお考えの店舗オーナー様も多いかと思います。需要が急増しているため、今の時期はメーカーは強気です。メーカーの喫煙ブースは相場が250万円と高額ですが、業者に依頼して造作してしまえば半額以下で設置可能です。
目次
2020年4月からの「改正健康増進法」の概要
2020年4月に「改正健康増進法」が全面施行され、原則として飲食店などの屋内施設では禁煙となります。
これにより、公共施設や商業施設で喫煙者がたばこを吸えるのは、完全に仕切られた喫煙室のみとなります。
例外は、小さな純喫茶のような客席面積100平方メートル以下かつ、資本金5000万円以下の小規模店などは、現在の基準のままで良いです。
(店が従業員を一人でも雇っていたら、客席面積などに関わらず原則屋内禁煙にしなくてはならない。)
ただし、4月以降に開店する店は、小規模店であっても禁煙となります。
居酒屋、パチンコ店は大打撃
何と言っても居酒屋やパチンコ店にとってはかなり厳しい状況と言えます。
ここ数年の禁煙ブームでタバコを吸わない人も多くなりました。
そんな中でも、居酒屋やパチンコ店は、ある程度気にしないでタバコが吸える空間でした。
ところが4月に「改正健康増進法」が施行されることによって、
「タバコが吸えないんだったら行きたくない・・・」
「だったら家飲みするよ・・・」
「タバコも吸えないでじっとパチンコなんか打ってられないよ」
などの声が上がっています。
経営するお店にとってはかなり痛いです。
簡易喫煙所の設置
タバコを吸う人にとって、お店全体が禁煙なんていう空間からは足が遠ざかることになります。
せめて、お店の中のどこかのスペースにタバコを吸える場所がある事で、全面禁煙のお店よりも来店してくれる可能性が高くなります。
そこで有効なのが、簡易喫煙所の設置を導入することで全面禁煙のお店と差別化を図る方法です。
タバコを吸う人も吸わない人もどちらも快適に利用できるお店作りが、4月の「改正健康増進法」が施行された後のお店の売り上げの明暗を分けるといっても過言ではありません。
喫煙ブース設置ラッシュの今は設置料金が高い
「改正健康増進法」が施行される前の現在は、喫煙ブースの販売設置メーカーはかなり強気です。
喫煙ブースが高額で取引されている状態でも設置が間に合っていない状態です。
需要と供給のバランスが崩れている状態では、当然値引きなんてありえません。
例えば、2~3名用の喫煙ブースの料金は200万円程度です。
そのほかに、設置工事費や換気ダクト配管工事費などで50万円程度が工事費として加算されます。
2~3名用の簡易喫煙ブースを設置する料金はおおよそ250万円です。
かなり高額です。。。
4月以降需要が落ち着いてくると、おそらく値下がりする可能性もあります。
しかし、商売をしている以上「値段が下がったら考えよう」では遅すぎます。
簡易喫煙所を格安で設置する方法
全面禁煙開始前に手を打っておく必要はありますが、あおりを受けて高額な喫煙ブースを設置する必要はないと思います。
喫煙ブースに必要な基準をクリアが出来ていて、しっかり分煙できるブースを作れば良いだけです。
その基準とは
- 屋外排気をして、喫煙室入り口で0.2m/s以上の喫煙室に向かう空気の流れがあること。
- たばこの煙が喫煙室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること。
たったこれ2点だけなのです。
ようするに、天井壁で仕切られたブースを設置して、給気と換気の設備をしっかり導入すれば良いだけです。
これって、内装のプロから言わせてもらえば、喫煙ブースの造作工事をするだけなので250万円もかかりません。
メーカーが出す喫煙ブースは250万円だけれども、作ってしまえば半値以下で設置可能なわけです。
造作で設置する場合は、当店であれば、おおよそ100万円程度で設置できます。
どうやって造作するのか?
軽鉄とプラスターボードで部屋を作る感覚でブースを造作します。
軽鉄とプラスターボードは不燃材ですので、消防的にもクリア出来ます。
ドアも防火対策を考慮して、スチール製のドアを設置します。
壁の中段はガラスをはめ込めば、中が見えるので安心できます。
仕上げ材は、クロスを貼っても良いですしタバコのヤニ汚れを考慮したい場合は、掃除が容易にできるようにパネルやメラミンやダイノックシートを貼る方法があります。
照明器具、換気扇、ダクト配管を設置して完成です。
設計には十分な知識が必要
ここで重要なのが給気です。
詳しい説明は割愛しますが、換気の事だけを重要視する工事店が多いのですが、換気のために給気がとても重要になります。
喫煙ブースに給気が十分でない場合は、給気が追いつかず必要な換気がされません。
また、建築基準法や消防法といって法律に沿って設置する必要があります。
簡易喫煙所の設置工事は難しい工事ではありませんが、知識がないと喫煙所として機能しないブースになってしまいます。