壁紙がラクに剥がれるか、剥がれにくいかは実際に剥がしてみないとわかりません。剥がれにくい要因としては、年数が大きく関係していたり、コンクリートの壁の場合は剥がれにくい傾向があります。どうしても剥がれにくい場合は、スクレーパーなどを使用して剥がしますが、この時に下地をえぐったりしないように注意しなくてはなりません。剥がし作業の善し悪しが後のパテ処理のコスト増にに大きく影響します。つまり、「壁紙を剥がしてから依頼した方が工賃が安くなる」という考えは正しいようで正しくないのです。結論としては、クロスを張り替える際は、剥がし作業も合わせてプロに依頼した方がいいです。
実は奥が深い壁紙の剥がし作業
職人歴10年の私でも壁紙をキレイに剥がす作業というのは簡単ではありません。
私たちの仕事は”クロス張り替え”というぐらいで、”剥がしてから張る”というのがセットになっています。
どちらも同じぐらいの労力が必要で、時には張る前の剥がしの作業の方が大変なケースもあります。
一部の輸入クロスなどには今張られている壁紙の上から張れるものありますが、基本的には剥がしてから張ることになります。
私はクロス職人として、張り替え作業を毎日のように行っていますが、壁紙の剥がれやすさはその日の運で変わります(笑)
すんなり剥がれてくれる壁紙もあれば、全く剥がれてくれない壁紙もあるからです。
外側だけを見ても剥がれやすさは分からないため、プロのクロス屋でも実際に剥がしの作業をやってみないと分かりません。
壁紙が剥がれにくい理由
剥がれにくい理由はいくつかあります。
ただ、1つの理由で剥がれない訳ではなくて大抵は複数の原因が絡み合っているようです。
剥がれない理由としては以下の様なことが挙げられます。
- 張ってからかなりの年月が経っている
- 下地がコンクリート面である
- 剥がれにくいクロスがある
古い壁紙ほど剥がれにくい傾向があり、また、下地がコンクリートの場合も剥がれにくいことが多いです。
”剥がれにくいクロスがある”というのは、私たちのように毎日クロス張り替えをしていると”柄”によって剥がれにくいクロスがあることが分かってくるという意味です。
それでも、普段はその柄は剥がれにくいのに、その現場ではすんなり剥がれてしまったということも多々あります。
つまり、壁紙の剥がれにくさは、経年や下地などの複数の原因が絡み合っているようなのです。
ですので、実際に作業をして剥がしてみないと分かりません。
どうしても剥がれにくい壁紙の対処方法
私たちプロは、壁紙が剥がれにくい場合はその対処法をいくつか持っています。
代表的な方法としては
- 壁紙に水で噴霧して少し時間をおいてから剥がす
- スクレパーなどを使って時間をかけて地道に剥がす
などです。
どちらの方法を使う場合も、下地をなるべく傷つけないように剥がします。
なぜかというと、その後のパテ作業が大変になってしまうからです。
そのため、私たち職人は、細心の注意をしながら剥がしの作業をするのです。
クロス張替えは剥がしもプロに任せる方が賢明です
”壁紙を剥がしてから依頼した方が工賃が安くなる”
このように思われているお客さまもいらっしゃいますが、実際には下地のパテ作業によって工賃は大きく変わります。
キレイに剥がしてもらっていれば問題ありませんが、素人の方が剥がした壁面は大抵”でこぼこ”になりがちです。
下地ボードの表面まで剥がれていたり、スクレーパーなどで下地ボードがえぐられているとパテ作業はかなり大変になります。
結果的に、このパテ作業の分で工賃がかさんでしまうため、剥がして張った場合よりも逆に高くなってしまうことが多いです。
”張り”をクロス屋さんに依頼される予定であれば、”剥がし”を自分でするなどとはお考えにならずに、一通りまとめて”張り替え”を依頼された方が賢明だと思います。
くどいですが、剥がしの作業は難しいのです。