エコキュートで床暖房を運転すると他の熱源機で床暖房を使うよりも、ランニングコストが安くなるとと言われています。しかし、エコキュートの導入費用は60万円と高額です。また、交換時期は15年ごとが平均年数です。エコキュートの次にランニングコストが安い都市ガス温水式の給湯器と比較するためメーカーのショールーム に行って質問してきました。
目次
そもそもエコキュートとは
エコキュート とは、ヒートポンプと呼ばれる技術を取り入れた電気給湯器で、空気の熱を利用してお湯を沸かすという特徴を持っています。
目には見えない大気中の熱エネルギーをヒートポンプユニットに取り込み、「自然冷媒(CO2)」で圧縮することで高温化し、その熱を水に伝えてお湯を作る、自然エネルギーを利用した地球にやさしい給湯機です。
そして、1度導入してしまえば、どの熱源機よりもランニングコストがいいと言われています。
ただし、導入するのにどの熱源機よりも高いのです。
床暖房に使用する場合のエコキュートは、フルオートタイプになりますが、導入費は60万円前後となります。
都市ガス温水式給湯器とエコキュートとの比較
それと比べて、エコキュート の次にランニングコストが低い都市ガス式の給湯器の場合は10万円前後です。
この差は、かなり大きいです。
寿命も10~15年と同じです。
導入費に50万円もの差が出ますので、次に考えることは、ランニンングコストの差額ということになります。
比較したいところなのですが、どこを探してもメーカーに問い合わせても大まかなデータしかありません。
例えば、エコキュートでお湯を沸かす1ヶ月の電気代は、平均1600円程だそうです。
(これとは別に床暖房を運転する電気代がかかります。)
一方で、6畳の部屋で、都市ガスの温水式の床暖房を20度設定で1日10時間、運転した場合のランニングコストは4000円程度という数字があります。
このようなレベルの数字はありますが、これらの数字では正確な比較はできません。
同じ広さの部屋で、同じ設定温度とランニング時間での運転をするという条件で比較しないと、熱源機の寿命の15年間でどちらが得なのかは判断できないです。
調べてもわからないのでメーカーさんのショールームで聞いてきました
そこで、エコキュートを作っているメーカーさんのショールームに行って聞いてきました。
「これでどっちが得かはっきりするぞ!」
と、意気込んで行ってきた結果・・・
「データはないので、工務店に聞いてください。」とのことでした。
かなりガッカリです。
そもそも工務店にデータはない
このデータを取るためには、先ほども書きましたが、
「同じ部屋の大きさで、同じ温度とランニング時間」を条件に、エコキュートと都市ガスの温水式の床暖房の運転をして、1ヶ月後に数字を比較するしかないのです。
もし、工務店でこのデータを取ろうとするなら、工事の終わったお客様に、温度と仕様時間を制限して使っていただくという、協力をしてもらわなければデータは取れません。
こんなお願いを工事をさせてもらったお客様に依頼できる工務店はありません。
つまり、結局のところデータがないのだと思います。
ということで、比較はできないという結論となってしまいます。
15年で50万円の差額を逆転できるか?
それでは、違う方向から比較してみます。(正確なデータがないのであくまでも、推測することしかできませんが)
差額の50万円を15年で割ると、1年で3.3万円になります。
1年間でエコキュートより、都市ガス温水式の床暖房のランニングコストが33000円高くなってはじめて都市ガス温水式と並びます。
床暖房を使用する時期は、11月から3月ごろの5ヶ月間とすると、1ヶ月間で都市ガス温水式の床暖房のランニングコストがエコキュートでのランニングコストより6600円高くなって都市ガス温水式と並びます。
つまり、1ヶ月で都市ガス温水式の方が6600円以上高くないと、エコキュートを導入するメリットがないということになります。
上述のデータ「6畳の部屋で、都市ガスの温水式の床暖房を20度設定で1日10時間、運転した場合のランニングコストは4000円程度」からすると、かなり広い範囲で床暖房を使用しないと6600円以上にはならないと予想します。
以上のことから判断して、ほとんどのご家庭では15年ごとに高いエコキュートを入れ替えるメリットはないと感じました。
床暖房が目的なら、エコキュートよりも都市ガス温水式の給湯器が勝ちです。