エコキュートとは、給湯器(熱源機)の一種です。深夜の電気料金の安い時間帯にお湯を沸かすので、効率良くお湯をためておくことが出来ます。温水式の床暖房を検討している場合は、熱源機をエコキュートにすることで、ランニングコストを低く抑えることが可能です。
目次
効率良くお湯を沸かせるエコキュートとは?
正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と言います。
ヒートポンプと呼ばれる技術を取り入れた電気給湯器で、空気の熱を利用してお湯を沸かすという特徴を持っています。
目には見えない大気中の熱エネルギーをヒートポンプユニットに取り込み、「自然冷媒(CO2)」で圧縮することで高温化し、その熱を水に伝えてお湯を作る、自然エネルギーを利用した地球にやさしい給湯機です。
作られたお湯はご家庭のキッチンやおふろなど、各シーンで大活躍します。
エコキュート を運用する消費電力
エコキュートが一般的な家電と異なるのは利用が夜間に集中するということですが、それ以外は一般的な家電と変わりません。
エコキュートの電気代は、エコキュートの消費電力(kW)×使用時間(h)×電力量料金(円/kWh)で表されます。
エコキュートの消費電力は、電気だけを利用するのに比べ約3分の1まで下がるとされています。
一般的な気温の土地向けの仕様で、冬期以外は0.950kW、冬期では1.5kWとなっていますので、今回計算にはその平均の1.225kWという数字を使ってみます。
エコキュートの消費電力の計算は、もちろん季節や沸きあげ量にもよりますが、深夜に3~4時間かけて運転するのが一般的ですので、ここでは1日3.5時間稼働するとして消費電力を計算します。
1日に必要な消費電力量、1か月に必要な消費電力量は、以下のようになります。
- 1日に必要な消費電力量
1.225kW×3.5h=4.2875kWh - 1か月に必要な消費電力量
4.2875kWh(1日に必要な消費電力量)×30(日)=128.625kWh
つまり、1か月あたり平均128.625kWhの電力を消費するということになります。
エコキュート を運用する電気代
エコキュートは夜間に電力を消費するので、東京電力のオール電化向けプラン「電化上手」の夜間電気料金12.25円/kWhを当てはめて計算しますと、次のようになります。
128.625kWh×12.25円/kWh=1,575.65円(エコキュートの1か月の電気代は、約1,600円程度になるということですね。
ガス料金もかからずに1,000円代でお湯が沸かせるということが最大の利点です。
エコキュートをあらかじめ導入してある場合、床暖房の熱源機の設置が必要なく、床暖房の導入コストが抑えられます。
エコキュートの設置のないお宅で、これから床暖房を設置する場合、エコキュートを熱源機として導入することでお風呂やキッチンの給湯もエコキュートですることができます。
気になるエコキュートの導入費用
エコキュートのカタログに出ている本体価格は、給湯専用やフルオートなどの機能の違いにも寄りますが、最も一般的なエコキュート3~5人向けの370Lタイプの機種で60~90万円台となります。
実際には、定価から値引きをされて、工事費が加算されるのが一般的です。
値引き後の工事費を含めた370Lのエコキュートの導入費用の相場は、以下となります。
・給湯専用…50万円〜
・フルオート…60万円〜
(*床暖房で使用する場合は、フルオートを設置します。)
給湯専用のエコキュート
給湯専用タイプは、追い炊きや自動保温はできません。
給湯専用タイプの場合、自動湯張りボタンがリモコンにありませんので、蛇口をひねってお湯張りをすることになります。
昔ながらのお湯を止め忘れて浴槽からお湯がじゃばじゃばあふれているということが起きる可能性があります。
フルオートのエコキュート
フルオートタイプのエコキュートは最上位機能タイプで、自動湯張りや追い炊き、自動保温などすべての機能が盛り込まれています。
各メーカーのラインアップの約7割から8割はフルオートタイプです。
床暖房の光熱費
エコキュートのデメリット
深夜の安い電力で沸かしたお湯で床を暖めるので、ランニングコストが安くすむ給湯器「エコキュート」ですがデメリットもあります。
・冬場などに床暖房を一日中使って、エコキュートの貯湯タンクが湯切れを起こしてしまうと、昼間の高い電力でお湯を沸かさなければいけなくなる。
・故障してしまった場合、床暖房と一緒に給湯も止まってしまうため、お湯が使えなくなる。
・ヒートポンプの使用頻度が高くなるため、通常のエコキュートよりも壊れやすくなる場合があるため、定期的なメンテナンスを行うのが望ましい。
以上のことがエコキュート のデメリットと言える点ですが、どんな熱源機でも必ずメンテナンスや交換が必要になってくるものですので、しっかり定期的にメンテナンスをする場合は、特に大きなデメリットとは言えないでしょう。