新規のラーメン店の店舗内装をスケルトンからやる場合と、居酒屋の居抜きからやる場合の工事金額はどれぐらい違うのか?
※スケルトンとは、内装や設備などが全くない状態の店舗のことです。
ざっくりの概算をご紹介します。
もちろん、工事内容や使う素材によって、金額は大きく変動しますのであくまで参考にしてください。
広さ15坪程度の店舗の場合ですと、店舗内装の工事費用は坪単価30万円が相場になります。
スケルトンの店舗から内装工事をする場合は、そのまま計算すればいいので450万円程度ということになります。
一方、居抜きの場合は、以前の店舗の設備をどの程度使うかによって金額が変わってきます。
- ほとんどの設備を流用して、内装仕上げ(壁紙、床材)だけをする場合・・・50万円前後
- 間仕切りの移動や新設が多少行い、同時に付随する電気工事をした場合・・・70万円前後
- 給排水の移設(配管の位置変更)をした場合・・・50万円前後
つまり、居抜きの場合は、1+2+3であっても200万円未満に収まるのでスケルトンの場合と比べると半額以下にできる可能性があります。
居抜きの場合の工事内容
では、具体的に居抜きの場合の工事とは、どういう内容があるのかご紹介したいと思います。
以下が、居抜き工事の項目として一般的な工事内容です。
①仮設、養生・・・工事を進めていく上で、必要な足場を組んだり、養生を設置したりするための段取り部分の工事です。
②造作工事・・・大工さんが主役部分の工事です。間仕切り壁を造作したり、カウンターを造作したりと、お店の雰囲気を決定付ける要の工事です。
カウンター1つの工事でも、どのような材料を使用するかで材料費用から施工手間まで全く変わってきますが、それに伴い仕上がりもガラッと変わります。
ですので、仕上げ材は実際のサンプルを取り寄せて合わせて見ることがイメージ作りで大事です。
③電気工事・・・必要な場所に電源を配線したり増設したりします。
また、エアコンなども電気工事となります。
④設備、水道工・・・厨房器具の設置やトイレなど設備全般を担当します。
また、スケルトン工事の場合は排水給水などの配管工事なども新規で必要になります。
⑤内装仕上げ工事・・・天井、壁、床などの仕上げの内装工事を担当します。
クロス屋さん、塗装屋さん、床屋さんなどがこの業種に該当します。
仕上げのデザインでお店のイメージもかなり変えることが可能ですので、仕上げ材の選定や配色などはとても重要な分野です。
⑥ガラス、サッシ工事・・・建築工事においてガラスは高価な資材と言えますが、飲食店などの店舗におきましては、外から中が見えることはとても重要なことです。
いかにガラスを効率的に使えるかと言うことが重要です。
また、入り口の自動扉や引き戸の工事はサッシ工事です。
自動か手動かでも値段はグンと変わってきます。
⑦サイン工事・・・看板工事のことです。看板もグレードによって金額の幅が大きいです。
箱文字 > 切り文字 > カッティングシート(参考価格順)
⑧諸経費・・・現場管理費や事務費用などです。
業者によって異なるが相場として工事金額の10%〜20%でしょう。
このような業種によって工事は完成しますが、④の「設備、水道工」が工事費用全体の30%以上になる場合が多いです。
この工事で少し混んだ工事をすると、全体の金額がぐんと上がります。
内装工事を安くするには、④の「設備、水道工」の費用をいかに抑えることができるかがキーポイントとなります。
居酒屋⇒ラーメン屋の場合
では今度は、当店の経験から具体的な居抜き物件から新規店舗を作る際に必要な工事内容をご紹介します。
例えば、前店が居酒屋だったとします。
その場合、厨房設備はおそらくガスも水道も設置済みなはずです。
問題となるのは、排気の設備が整っているかということです。
ラーメン屋さんが麺を茹でている時の蒸気はかなりすごいです。
あれほどの蒸気になるとダクトをしっかり通して排気をしないと、お客様が食事をするカウンターやテーブルスペースまでも蒸気が回ってしまいます。
つまり、ラーメン屋さんをやる場合は、どうしても排気設備にはお金をかける必要があります。
ただ、排気の設備以外を以前のお店のものをそのまま使うことにすれば、総額をかなり抑えることができます。
同じ飲食ですので、カウンターやテーブル席をそのまま使うことにしても、配置に少し変更を加えるなど工夫をすれば以前のお店とは全く異なった雰囲気を演出することも可能でしょう。
このように居抜き物件を利用して、前の店の設備を最大限に利用することで開店資金を抑えることが可能になります。