美容室の内装工事を実際にやらせてもらったので、その具体的な内容をご紹介します。スケルトン物件から、これから美容室の開業をお考えの方には非常に参考になると思います。今回は、新築物件のコンクリート面を生かした内装をしていました。
目次
スケルトンから美容室の店舗内装
今回の工事は東京立川市の新築ビルで、店内スケルトンから美容室にする工事です。
以前も2回ほどお仕事をいただいているクライアント様からのご依頼です。
このように、店内の壁、天井、床はコンクリートのままの状態です。
設備に関しても、給排水菅、ブレーカーは店内まで来てますがそこから欲しい位置まで給排水菅の延長や、電源を欲しい位置までブレーカーから引いてくるなど、すべて0から仕上げていきます。
工事内容
- 電気工事
- ブレーカー交換
- 照明電源、コンセント電源の配線器具設置
- 空調工事
- エアコン3基配管設置
- ダクト工事
- 換気扇スパイラルダクト工事
- 設備工事
- シャンプー台給排水工事
- バックヤード、キッチン・洗濯機パン配管、器具取り付け
- トイレ配管、器具取り付け
- ガス工事
- 店内ガスメーター設置
- 給湯器業務用24号取り付け
- 店内ガス配管
- 造作工事
- 店内壁造作
- 床造作
- 家具工事
- カウンター造作
- スイングドア造作、取り付け
- 塗装工事
- 既存天井塗装工事
- 新規壁塗装工事(一部クロス)
- 店内床塗装工事
- クロス工事
- 新規壁クロス工事(一部塗装)
- 床工事
- シャンプー台、トイレ床 塩ビタイル貼り
- 防災工事
- 感知器移設・増設
- 消防検査対応
- タイル工事
- 店内入り口床タイル工事
- サイン工事
- 外部袖看板サイン工事
- 各所サイン工事
スケルトン工事の場合、かなり多くの職種が必要です。
また、工事工程を順序よく組んでいくことがとても重要です。
クライアント様と現場視察の時に、おおよそのレイアウトをお伝えいただいて、3回ほどの打ち合わせを経て工事着工しました。
25坪と広いテナントではありますが、細かくレイアウトやスペース配分をしっかり確認します。
新築ビルのコンクリート面を生かす
新築のビルで、コンクリート仕上げのためコンクリートを活かせるところは活かそうということになりました。
天井もあえて造作せずにコンクリートのままで、白で塗装します。
このようにすることで、天井高を高く取れますので空間を広く感じることができるのです。
また、コンクリート仕上げを残すことで、無機質感が生まれて、そこにポイントで造作物を(壁やカウンターなど)作ることで、空間が引き立ちます。
床塗装 ーアシュフォードジャパン・アクアカラー
この塗料はコンクリートの持つクールな雰囲気をそのまま活かせるステイン塗料です。
色は20色あります。以下は、塗装前に床です。
今回は、クールグレーのグロスコート仕上げをすることになりました。
この塗料は、綺麗に塗るというよりも、あえてムラをつけて塗ることで、カッコよく仕上がります。
ローラーで塗るもいいですし、モップで塗る人もいるようです。(斬新ですね!)
ステインカラーを塗って、乾かしたらグロスコートをローラーで塗って終了です。
塗りたては、まだ馴染んでないのですが、日にちが経つと馴染んできます。
1日養生期間を取れば、次の日から歩けます。
床材をあえて貼ることなく、無機質感がバッチリ出てて、素敵ですね!
リーラーコンセント
今回の店舗内装では、床もコンクリート面を残したため床にケーブルやコードを這わせると見た目も悪いですし、それ以上に邪魔で危険です。
ただ、美容室の場合は、各席でドライヤーを使う必要があるため電源コードが必要です。
そこで、今回はリーラーコンセントを採用しました。
リーラーコンセントは、天井から吊す形態のコンセントです。
引っ張ると伸びて、放すと任意の場所で止めることができます。
戻すときはボタンを押すと戻ります。(リーラーコンセントの仕様によって戻し方は異なります。)
一般的には、床を少し上げて配線を可能にしアップコンセントというのを設置します。
リーラーコンセントは、今回のような壁面や床面がむき出しの場合に使える方法です。
例えば、工場などにもよく採用されています。
邪魔にならず機能面でもすばらしいリーラーコンセントですが、見た目もなかなかおしゃれで今回の美容室のビジュアルに貢献してくれました。
ビューティーガレージのシャンプー台を設置
当社の工事でよくオススメしている美容機器メーカーのビューティーガレージ製のバックシャンプーを導入しました。
オススメしている理由としては、おしゃれな割には価格が安いからです。
工事の流れ(これが一般的な工事工程です)
工事の大まかな流れです。
①墨出し・・・壁の造作位置や設備、電気の配管ルートを出すために床に、墨を正確に出します。
②設備、ガス配管、電気配線・・・壁や床を造作する前に配管や配線を行います。
③壁造作、置き床造作・・・配管や配線が終わったらそれらを覆うように、壁や床を作っていきます。
④内装仕上げ工事・・・塗装やクロス工事など仕上げ工事です。
⑤器具付け・・・仕上がった天井や壁に電気器具やコンセント、便器や手洗い器、シャンプー台などを取り付けます。
⑥クリーニング・・・工事現場はホコリなどが出ます。お引渡しの前にクリーニングをしてクライアント様にお引渡しをします。
⑦消防検査・・・工事前に消防署へ工事届けをします。完了検査です。
消防法で定められている、防災機器が取り付けてあるか、お店の内装は規定に当てはまるかの検査です。
⑧お引渡し・・・クライアント様に立会い検査をいただいて、いよいよお引渡しです。
大きく分けてこのような工事工程がどんな現場も一般的かと思います。
今回の工事は、コンクリートの良い部分を最大限に活かせた工事でした。
無機質ながらも、ポイントごとに造作物や設置物を取り入れて、おしゃれにまとまってると思います。
最近は、このような内装が主流になりつつあります。
コンクリートは、がっちり手をつけて壁を新たに造作しなくても、塗装をするなど、多少手を入れるだけでものすごくおしゃれになりますね。
参考にしてみてください。
工事期間・・・1ヶ月