「大手のリフォーム会社の仕事は安心できる?」って私は半分以上ウソだと思っています。
もちろん、逆に中小だから安心という訳でもありませんが、大手のリフォーム会社というだけで過信するのが間違っていると思うのです。
大手のリフォーム会社の名前が出ると、その会社名はほとんどの人が知っているほど知名度がありますので信頼したくなります。
また、最近では大手のホームセンターなどでもリフォームを受け付けています。
こちらも有名なお店ですから信頼したくなりますね。
「大手に任せれば安心ね」とほとんどの方が思われるのも不思議ではありません。
ただ、実は、そうでもないことを私の最近の実体験でご紹介しさせていただきます。
先日、私の友人が中古マンションを購入しました。
そこで、壁紙の張り替えを依頼されたのです。
友人宅ですし、是非やってあげたかったのですが、タイミングが悪く他の工事と重なってしまい友人の希望の日程がふさがってしまいました。
引っ越しの関係もありますので、友人は私に依頼するのを諦めて地元の有名なホームーセンターのリフォーム部門に依頼したそうです。
工事が終わってしばらくしてから友人から連絡がありました。
「壁紙があっちこっち剥がれ出したんだよ。」
「大きいホームセンターだし、●●(会社名)なら安心と思って依頼したのに壁紙の施工ってこんなものなの?」
このように聞かれたのです。
相当驚きましたし、もちろん張ったばかりの壁紙がすぐにあちこち剥がれてくるなんてプロの私から言わせればあり得ない話です。
私は同業のことを悪く言うのは好きではないので、「見てないから何とも言えないけど普通は剥がれたりはしないだろうね」と無難に答えておきました。
このような状況が全てでないと信じたいですが、事実大手の仕事と言ってもこれが現状のようです。
広告費、店舗費、たくさんの営業マンの給料、会社組織の利益、などのコストが大手には必要になります。
これらを考えると大手が見積もりを出す壁紙張り替えの料金は、私たちのような職人が直接施工するよりも遙かに高くなります。
もちろん、高くてもよいサービスだったら友人はこのような電話をかける必要はなかったはずです。
では、なぜこのようなひどい仕上がりになってしまうのか?
それは、大手に使われている職人の手間賃が激安に抑えられているからです。
大手が、下請けの職人に発注する際の手間賃はどこも非常に安いです。
お客さんが高額なリフォーム費用を支払っていても、そのほとんどは大手リフォーム会社の経費や利益に吸収されます。
逆に言えば、利益を保つためには、リフォーム代は高いままで、職人への支払いを低く抑えざるを得ないのです。
本当は、職人の方々も手抜きをせずにしっかり手間をかけていいサービスを提供したいはずです。
しかし、賃金が安すぎるため、一日の最低限の日当を捻出するには少しでも工期を短縮しなければならないのです。
結果的に、時間や手間をかけられなくなるため、仕事としては丁寧ではない安っぽい仕事になってしまうのです。
仕上がりが悪いのは当然だと思います。
大手に依頼したい心情は理解できますが、お客様が直接私たちのような中小に依頼していただければこの問題は解決します。
高額な中間マージンが全てカットされますから、私たちは適正な工事代金をいただくことでしっかりと丁寧な施工ができるからです。
もちろん、中小の中にはいい加減な業者もいるので、業者選びはある程度の慎重さが必要です
ただ、現実的に大手に依頼しても、中小に直接依頼しても、実際に工事をする職人は同じですから差が出る訳がないのです。
リフォーム会社というのは、実際には窓口業務しかやっていないのです。
大手だから安心、信頼できるという思考は、必ずしも満足のいく結果につながらない可能性があります。