工事の内容
- 解体工事
- 設備工事
- 電気工事
- 空調工事
- 造作工事
- 什器制作
- 塗装、その他仕上げ工事
- 看板制作
- 防災工事
新宿歌舞伎町にビルの地下一階が今回の現場でした。
壁や床の下地の状態は良くありませんでした。
間口が狭く、地下へと降りる階段は、なんとも趣のある階段でした。
今回は、こちらの物件で美容室を開業するための設計施工をさせていただきました。
地下の物件というのは、設備などの面で結構厄介なことが多いです。
窓や開口部がないことから給気、換気の問題などがあります。
今回は、全熱交換器を導入して、ダクト配管を屋上まで配管して強制的に給気と換気をするように設計しました。
また、地下ですので、排水は地下にピットがあってそこに排水を溜めて、ポンプで上階に上げて排水するという仕組みです。
このポンプはビル設備ですので、もともとビルに設置してありました。
物件が一年以上空いていた事や、老朽化していたことから、設備調査とビル側との打ち合わせが最初の内容でした。
お店は「非日常感」をどのようなテイストで出していくかが、とても重要です。
来店いただくお客様の年齢層や性別を想定する事や、出店する地域でターゲット層が決まります。
そのターゲットとなるお客様がどのような空間だったら感動するのか、また来たいと思うのか?・・・ということを考えて店舗を設計していくことがとても重要だと考えています。
この趣のある階段を降りるところからワクワクする空間にしていくことが今回のミッションです。
もともと飲食店のため、厨房の土間コンクリートがありましたので、土間コンクリートと、残っていたトイレの壁、中途半端に壁に貼り付けてあったタイルを解体しました。
地下から階段を登って、コンクリートがらを搬出するのがきつかったです!(笑)
設置設備は以下です。
給排水の配管を行いました。
既存配線の撤去をしてから、コンセントや照明器具を稼働させるための配線を行いました。
天井はシャンプー台とバックヤード、トイレ以外は開放感を出すためにスケルトンを活かしました。
スケルトン部分の照明は、ライティングレールとスポットライトです。
カット席の照明器具は、美容室の場合はスポットライトだけでは暗いので、スリム型のバー型ベースライトも取り付けました。
地下の店舗のため、排気口や窓がありませんので、店内の空気を新鮮に保つため、空調機に全熱交換器を導入して強制的に外気を取り込む空調計画を行いました。
予算を抑えるために、既存の外周壁はそのまま使用したいというクライアント様からのご要望があり、最低限必要な内部の壁を造作しました。
ただ、外周壁は陥没していたり下地の状態が悪かったので、流石にそのままというわけにはいかない状態でしたので、モルタルで平らにしたり、ジョリーパットで模様をつけたり試行錯誤しました。
床は全面床上げを行い、仕上げに塩ビタイルを貼りました。
ロッカーとシャンプーキャビネットを制作して、納品させて頂きました。
シャンプーキャビネットは設置場所サイズに合わせて制作しますので、ピッタリと収まって見た目もとても良いです。
既製品ではこのような納め方ができないですが、制作する場合は自由度が高く、収まるが良いので予算がある場合は製作をおすすめします。
店内の建具はトイレドアは既製品を使用して、バックヤードはスイングドアを制作しました。
入り口ドアは木質のドアが設置してあり、かなりボロボロだったので、スチール製のドアを制作しました。
看板はオーナー様と形を数回打ちああせして、鉄で制作しました。
店内は天井、壁とも塗装仕上げを行いました。
天井は白、メインの壁は薄いグレーを使用して、クライアント様がご使用になりたかった落ち着いた色味のピンクはカット席に使用しました。
もともと煉瓦を使用してある階段の床と階段の腰壁は、煉瓦の良さを活かしたかったので、あえてフラットな床にはしませんでした。
茶色いレンガを濃いめのグレーで塗装して、とても良い感じに仕上がりました。
もともとの外部の壁は、かなり傷んでましたので、補修をしてから白塗装で仕上げました。
薄暗かった地下の店舗物件は見違えるように明るくなり、とても素敵な美容室になりました!
歌舞伎町のビルを抜けてたどり着くお店は、白い外観で周りの景観とのギャップがあり、それがまた歌舞伎町にマッチしているように思います。
白い扉を開けたその先は、歌舞伎町の人混みから解放されたような、落ち着ける空間です。
今回も工事のご依頼をいただきまして、ありがとうございました!
店長さんはじめ、ベテランスタイリストさんがいる居心地の良い空間です。
24時間営業なので、忙しい方にもおすすめの美容室です。
東京都新宿区歌舞伎町1-26-2 京屋ビルB1